忿怒尊
ヤマンターカ
これらは字の如く、怒った表情をした尊像を描いたものであるが、彼等の怒りは、我等凡夫の利己的な怒りとは全く性質を異にする。即ち、正しい仏教の教えを諭したり守ったりする為の正義の怒りなのである。
優しい柔和尊では手に負えない輩には、この形相で相手をする。けれども、仏の慈悲を持つという点では、本質的に同意味である。事実、チベットの尊像の中には、臨機応変に柔和、忿怒の両方の姿をとるものも多数ある。又、この中には守護尊も多く含まれる。外敵から仏教徒を、更には仏教の教えそのものもを守る役割を担う彼等は、仏教徒にとって頼もしい味方なのである。寺院の入口に壁画として描かれる四天王像などは、その代表であろう。







